地域に活力を!元気を!を目的として、全国の地域広告会社が集まる協会です。

理事挨拶


2019年度一般社団法人日本地域広告会社協会(JLAA)定期総会に、全国各地よりご参集賜り、誠にありがとうございます。衷心より厚く御礼申し上げます。

創設以来の悲願達成
47都道府県に仲間が集う

 JLAAは日本全国47都道府県に、仲間が揃いました。会員数75社(正会員61社、賛助会員数14社)で構成されています。この1年間で新会員5社が誕生しました。創設17年目にして悲願達成です。ご尽力頂いた関係各位に、改めて感謝致します。

 新会員各位には、「その地域でエリアNo.1の広告会社」を目指して頂きたいと存じます。そのためにJLAAを積極的に利用してください。共に切磋琢磨しようではありませんか。 釈迦に説法ですが、我々広告会社は情報を扱います。情報は「与える」からこそ、「得られる」のです。仲間に提供できる「情報」はありますか。あるからこそ、日本で最も活発に働く広告会社の集団JLAAの仲間になり、共に成長しようと入会されたのです。ぜひ、「与える」ことのできる情報を整理しオープンにして頂きたいと願います。

 JLAAの目的は「会員間の情報交換」です。47都道府県の「成功例」や「失敗例」を得られます。昨日のままでは、生き残れない厳しい時代、ぜひ明日の御社につくりかえてくださるよう切望し、入会を心より歓迎致します。

人口構造が大きく変化した
平成時代30年間

 5月1日、時代が代わります。私たちは「地域に根ざした広告会社」として、その歴史的瞬間に立ち合う幸運に恵まれました。どんな時代が、どんな未来が訪れるのか、ワクワクします。まず持って、新天皇誕生、新元号 令和を慶祝しようではありませんか。

 広告の仕事は「活性化」の一言に尽きます。地域を、広告主を、日本を「元気にすること」です。戦後75年、この国は世界に冠たる経済大国へ成長、栄華を極めました。

 そして平成。この時代が如何なる時代であったか。いずれ検証されるでしょうが、今わかっているのは、少子化により人口減少が進み、超高齢社会を迎えたということです。総人口の4人に1人が高齢者となり、高齢化は世界に類を見ない水準に到達しました。地方から集落が消滅し、この国の文化や風習が徐々に姿を消し始めました。それは改元後の新時代においても止みません。

 安倍首相は、先の経済財政諮問会議にて「元気な地方なくして日本の再生なし」「経済財政政策上の重要な課題だ」とし、地域活性化の重要性を強調、地方向けの政策を充実させるとの覚悟を示しました。

 JLAAが昨年度15周年記念総会において、掲げたスローガン「47都道府県1,700市町村を元気に!」は、地域に根を張る広告会社集団JLAAの「役割と使命」であります。そして、「何のために広告業を営むのか、何のために地域を活性化するのか」を根本から問い直してきました。

 平成という時代に、この国が置き去りにした「地域・地方」を元気にするには、相当なエネルギーが必要だと、私は考えます。「地方創生」を使命とし、その中核を担い責務とするのは、それぞれの地域に精通した我々です。全国47都道府県に組織された広告会社集団JLAAは、「地方創生」に不可欠な存在であると信じています。

ネット社会に即応した営業スタイル
広告会社を「つくりかえ」ていく

 毎日新聞は、改元前日の4/30朝刊紙面に「ありがとう平成」、当日5/1の紙面に「新元号こんにちは」と銘打った個人名祝賀広告の掲載募集をしました。掲載料は3,000円(1掲載1名)、申し込みはインターネットでしか受け付けず、前金のクレジット決済のみです。新聞のこの試みをどう思いますか。

 祝賀広告ゆえの特別なチャレンジでしょうか。違います。これまで新聞もラジオも、テレビも雑誌も、その他の主だった媒体の営業スタイルは、代理店を経由し、広告を集めてきました。毎日新聞の個人名祝賀広告で出来上がる紙面は、祝意を示す通常の広告です。しかし、広告紙面づくりの背景に「広告代理店」はありません。新聞広告の発注、申し込みは代理店を経由せず、媒体社の営業局がスポンサーと直接に「ネットで交渉して申し込み、ネットで紙面が作られ、ネットで決済」します。いずれ、電波メディアもそうなります。雑誌もチラシの営業も、そうなります。言葉は乱暴になりますが「代理店飛ばし」で、ネット社会に即応した営業スタイルに「つくりかえ」られています。

 今は過度期です。まだ人間の手が介在しますが、早晩、広告の媒体営業はネット広告同様にAIが担うでしょう。そうなりますと、広告会社の代理店業務はどうなるのか。広告会社の営業スタイルを「つくりかえ」て行かねばなりません。

レスポン主義に徹した広告
人を動かすための哲学と向学心を

 今、広告に求められているのは合理性と成果です。だからこそ、人の心に響く広告をつくり、レスポンス主義に徹する必要があります。効果のない広告は切り捨てられます。こうした現実と理想の狭間で我々はもがき続け、人の心を豊かにし、人を動かす広告を生み出していかなければなりません。そのためには、我々自身が変わり、自らを「つくりかえ」ていかなければならないのです。

 昨年度も、事業計画としてアドマン養成のための営業研修「広告大学」を企画しましたが、残念ながら、参加者が少なく低調に終わりました。責任は、主催の側の努力不足に尽きますが、私はあえて二つのことを申し上げます。

 「向学心」を失くしたアドマンに居場所はありません。煩雑な日常業務に忙殺され、新たな知識を吸収する意欲をなくし、過去の成功体験で生き残れるほど、この業界は柔ではありません。ネット広告は今年、テレビ市場を追い抜いて媒体別市場No1になります。

 広告は「時代を写す鏡」とも「流行の創造者」ともいわれます。JLAAの会員は「情報の先端」にいなければならないと思っています。そのための情報を提供できるJLAAに「つくりかえ」てまいります。

 もう一つ。広告は人を動かす仕事です。活性化とは人が集うことです。人を動かすには、動かす側の我々に、なくてはならない人間性が求められます。それは「哲学」です。「自分は何であるのか、人間とは如何にあるべきか」を自分なりに持たねばなりません。

 「哲学」は、古より哲学者たちが研究を重ね、未だに答えが出せない難題です。その難題について考えねば、人を動かす仕事はできないと、私は思っています。敢えて会員各位に、哲学を持とうと訴えたいのです。

 今期から「ブロック会議」を一層充実させます。開催地域に学ぶ研修会を織り込むなど、向学心を満たせる新たな試みで、ブロック会議を「つくりかえ」ます。

JLAAのオリジナル共通商品開発
「全国展開推進委員会」発足

 昨年、北海道の会員 インサイトさんからの提供により、JLAA共通商品として、高校生就職応援本をスタートさせました。未曾有の求人難となった今日、それぞれの地域で育った高校生には、その地域に愛着を持ち、その地域の優良な企業に就職してもらいたい。これは地方創生の観点からも重要です。しかし現状は、高校生の手元に地域企業の情報が正確に届きません。その解消に努めるのは、地域の広告会社の役割です。

 現在、11の道府県(北海道・山形・群馬・静岡・愛知・岐阜・三重・滋賀・岡山・鳥取・宮崎)で応援本が発行され、準備が進んでいます。将来は全会員に関わって頂ける商品に成長させたいと考えます。本日の総会で内容を説明致しますので、ノウハウを学んで頂きたいと存じます。

 このJLAA初めての共通商品、高校生就職応援本を契機に「全国展開推進委員会」を立ち上げたいと提案致します。山形の松岡理事を中心に6社の会員で構成、JLAAのオリジナル共通商材を開発して、会員のご所望に応えたいと存じます。

元気な地方なくして日本の再生なし
我々自らを「つくりかえる」

 人は、今まで積み上げてきた仕事のやり方を変えることに抵抗があります。古い上着に愛着があり、脱ぎ捨てる勇気を持てない保守的な考え方をします。しかし、まもなく30年間続いていた平成という時代が終わり、新時代が始まります。昨日までをリセットするビッグチャンスではありませんか。

 JLAAは広告業界で唯一、全国47都道府県に組織を持つ「広告会社の集団」になりました。「元気な地方なくして日本の再生なし」です。「日本全国1700自治体の元気のために」、我々自らを「つくりかえる」年にしようではありませんか。2019年度のテーマを「つくりかえる」と致します。

 本日の総会、欲張って盛沢山の企画をいたしました。「地方創生と広告の役割」と題して事業創造大学院大学客員教授の伊藤聡子さんにご講演いただきます。そして、分科会では全国各地から12の成功事例。賛助会員からはすぐ役立つ商品の紹介、そして共通メディアの提案をいたします。恒例の懇親会では新会員の紹介など、新たな時代へと「つくりかえる」ための総会になると確信します。

 全国各地からの結集に心より感謝し、2019年度総会にあたってのご挨拶とします。

2019年4月
一般社団法人日本地域広告会社協会(JLAA)
理事長・後藤一俊