地域に活力を!元気を!を目的として、全国の地域広告会社が集まる協会です。

理事挨拶


2020年度一般社団法人地域広告会社協会(JLAA)定期総会に、ご参加いただき、ありがとうございます。今回はオンラインで開催させて頂きます。

JLAA初のオンライン総会
経済活動再開と感染対策

 上機嫌ですか。「コロナ禍で経済活動が止まり、広告 市場は停滞。そんな状況下、上機嫌でいられるか」そん な声が聞こえます。ごもっとです。この国難に、地方の広 告会社は生き残りをかけ「、耐えて」きたのが現状です。

 止まった経済が、ようやく動き始めました。我々「地域 の広告会社」には、地域経済を動かすという重要な任務 と、役割があります。それが果たせぬと不機嫌でいては、 ますます落ち込むだけです。神は乗り越えられない試練 は与えません。「どんな困難でも笑い飛ばせば乗り越え られる」と、私は信じています。ましてや「、地域を元気に する」ことを生業とする地域の広告会社が、俯いていて どうしますか。

 さぁー「口角を上げ、上機嫌」で。JLAA初のオンライン 総会をスタートしましょう。

 コロナ禍はいつ収束するのか。誰もが考えるポイント です。新型コロナウイルス自体は終息しなくても、特効薬(ワクチン・治療薬)が完成すれば、感染は収束に向かう はずです。安倍首相は、ネット番組で「年末にはワクチン を接種できるかもしれない」と話しました。

熱い集団に成長した会員と
JLAAオリジナル商品の誕生

 2019年度のJLAA活動を二つ総括します。定期総会以 降、JLAAを毎月動かそうと、5月に賛助会員の面談をし、 6月には山形での北海道・東北ブロック会議を行いまし た。熊本で開催した12月の九州・沖縄ブロック会議まで、全国6ヶ所のべ380人の会員が集い、熱い議論を交わしました。詳細は事業報告をご覧頂きたいと存じますが、 私の率直な感想は、日本全国47都道府県に組織された 会員が「なんと熱い集団」に育ったことか、という思いで あります。ブロック会議では、広告の仕事に命を賭け、如 何なることにも真摯に耳を傾け、自らの糧にしようとい う貪欲な姿勢が貫かれました。これぞJLAA のあるべき 姿であります。一層の強化を願います。

 もう一つは、若い理事を中心に「全国展開推進委員会」が組織され、全国統一商品が誕生したことです。北海道の会員から「高校生向けの地域企業情報誌 Start!」が、茨城県から「地域限定の大学生向け就職情報誌Hopeful」が、そして長野・宮崎県から「小学中年生向けのお仕事紹介本お仕事ノート」が、いずれも地域に不可欠なメディアとして提案されました。全国各地の会員が取り組んだ商品です。それらがいずれも会員のノウハウから生まれオリジナル商品となったことはJLAA活動の前進ではないでしょうか。今後、様々な共通商品が開発・発案され、会員の手によって地域に育っていくでしょう。

 2019年度はコロナ禍の影響で活動が制限されました が、JLAA創設以来、18年間にわたり培ってきた「熱い集 団化」は、常に新たなモノを追い求めるチャレンジ精神 を磨き、経済・社会構造が一変した2020年度に引き継がれると確信します。

新たな価値観の創造
早期の経済回復を目論む政府

 広告は「社会の写し絵」です。コロナ禍がもたらした出 来事を整理しましょう。コロナ禍はこれまでの価値観を 覆しました。戦後から続く今までの社会は、人やモノ、カネが自由に移動できることによって、活況を呈しました。それが、人と人との距離をとるべし。公共財のコストは 最小限であるべし。医療体制などの社会保障機能は重 要であるべし。命の安全のためには経済抑制・停止もあ るべし、とコロナ禍は物事に取り組む姿勢を変えました。IT技術による第4次産業革命の進捗と相俟って、コロナ以前の価値観に戻ることは、もはやできない状況となっています。

 広告の分野では、「人の動きを止めても経済が循環する」、「集い方を変えても活力が漲る」など、今までにない付加価値が要求されています。我々は改革し、新たな 価値観を創造することでしか、生き残れない時代に突入したといわねばなりません。

 政府はコロナ禍に伴い、GDPの4割にあたる230兆円の補正予算を組みました。世界最大級の財政出動です。国民に直接支援をする真水で63兆円です。必要とあらば第3次補正予算も視野にあるようです。コロナ禍の第2、第3波も予想され、また政局の流動化によっては消費税削減も可能性があります。日本経済はGDPの6割を占める個人消費が支えています。超大型の財政出動は個人消費を刺激して景気後退に歯止めをかけ、早期の経済回復を目論んでいます。

 そもそも我々の仕事は、「広告・イベント」などを通して個人消費の拡大を喚起することです。となれば、JLAA・地域広告会社の出番ではないでしょうか。コロナ 禍で急激に落ち込んだ「地域観光」復活に、飲食店をはじめとする「地域商店街」の活力回復に、自治体への積極的な提案で「地方創生」に、地域の経済を担う「地場 産業」振興に。

 経済活動の再生のため、今ほど、地域の広告会社の使命と役割が重いものはありません。まさにJLAAの出番です。

時代に即応し、より良く改める
改革なくして未来なし

 広告業界のオピニオンである電通は、コロナ禍に「電通は広告会社にあらず、ソリューション企業である」と豪語しました。私のみならず広告業界に携わる人たちは、電通が持続化給付金の事業委託に深く食い込んでいることに驚きました。第1次補正予算で組まれた観光 産業を下支えするための「GoToキャンペーン」。その委託事業をはじめ緊急事態宣言に伴う様々な事業にも積極的に関わっています。

 行政に食い込み人間関係を深くして、「滅私奉公」的に「仕事を請け負う」という旧態然とした広告会社の手法。我々も少なからず、その古典的な手法を引きずりながら、現在に至ります。電通はコンサルタントとしてソリューション型の手法を取り入れながら、従来の手法で仕事をするという「広告会社」でなければ生き残れないという現実を教えてくれました。私は、そんな手法が広告 業界を歪めているのではないかと思っています。

 コロナ禍による急激な社会構造の変化に、我々自身が対応できなければ生き残るすべはありません。その意味では2020年度は「一般社団法人日本地域広告会社」の存亡を賭けた改革の年であろうと考えます。

 よって、私は今年度のJLAA のテーマを「改革なくして、未来なし」としたいと思います。改革とは時代に即応し、より良く改めることです。即ち我々は仕事内容においても、交流方法においても、働き方においても、会員社の未来のため、一変する社会構造に先駆けて、我々なりの「価値観」を創造することではないでしょうか。その手始めが、本オンライン総会であります。

 本総会は、2019年度の事業報告と決算の承認を頂く場ですが、同時に、ポストコロナの「地域広告会社」の在り方と、「改革」を論じる場にしたいと思います。本来ならば、時流に沿った講演会などを企画するのですが、コロナ禍をどう乗り切るべきか、多くの会員に「現状の報告とこの間の地域での取組、成功・失敗などの事例」をプレゼンして頂き、「未来」に繋げたいと存じます。

 それでは、2020年度一般社団法人日本地域広告会社 協会定期総会を始めます。「上機嫌」で進めて参りましょう。

2020年7月
一般社団法人日本地域広告会社協会(JLAA)
理事長・後藤一俊