地域に活力を!元気を!を目的として、全国の地域広告会社が集まる協会です。

第7回「JLAA 地方創生アワード」

全国の都道府県で活躍する広告会社を会員に、日本最大の広告会社ネットワークをもつ一般社団法人日本地域広告会社協会(略称:JLAA、所在地:東京都港区新橋2-16-1、理事長:後藤 一俊・株式会社中広代表取締役会長、会員数:61社)は6月5日、第7回「JLAA地方創生アワード」の受賞者を決定しました。
コロナ収束の動きに合わせて、インバウンド観光客が日本中にあふれ始めてきていますが、各都市においても、楽しい観光プロモーションの動きが出てきています。当協会は地方都市で実施されている優秀な事業を表彰し、発表することで、社会全体で広く共有していくことを目的に、2016年に「JLAA地方創生アワード」を創設。全国の当協会会員社が、それぞれの地域で行政関係機関などから受託した事業を対象に選考し、毎年表彰しています。
7回目となる今回は、2022年1月から12月までの1年間で実施した事業から12件がエントリー。厳正な審査の結果、最優秀賞3事業、優秀賞3事業を下記のとおり、それぞれ決定しました。
*賞ごとに北から
総評
コロナの収束傾向が少しずつ出てきた2022年は、2023年からの本格的なポストコロナの観光復活をイメージした、ワクワクする楽しい取り組みが各地で多く実施されました。第7回「JLAA地方創生アワード」でも、コロナ以前の状態に戻るイメージではなく、コロナを越えた先の新しい需要開発に果敢に取り組んだ事業が目立ちました。今回受賞した事業は、奇をてらった企画で瞬間的な盛り上がりを狙うものではなく、観光促進事業でも関係人口増加事業でも、地域経済の活性化や域内事業者の売上アップを強烈に意識した施策が多く、実際に成果を上げています。コロナ禍によるダメージからの復活を、実益をもたらす形で実施された事業には習うべきところが多くあります。
第7回「JLAA 地方創生アワード」の概要
名称 第7回「JLAA 地方創生アワード」
選定期間 2023年1月1日~2月28日
対象事業 JLAAの会員社が地方創生の分野で関わった、地方自治体および関連団体が主管する事業で、2022年1月から12月までに実施されたもの。
選定方法 JLAAの理事で構成される審査委員会の委員が「企画性、計画性、波及効果、有効性、地方創生力」の5項目を採点し、合計点によって各賞を決定しました。
審査委員 JLAA理事(9人)
最優秀賞
北海道
「道内版関係人口創出・拡大事業」委託業務
受託JLAA会員:株式会社インサイト(北海道 正会員)

北海道内で人口が集中する札幌市の市民を対象に道内の関係人口増に向けた施策として具体的に実施。道内地域への興味や関心を持つ「きっかけ」づくりのため、関係人口ポータルサイト「DOORS,hokkaido」を開設。若年層対象の「DOORS, hokkaido」ツアーを開催し、「きっかけ」から第一歩を踏み出す機会を創出。また、関係人口をテーマにしたオンラインミーティングも実施。各開催地からの報告と「ソトコト」編集長 指出一正氏の講演会も開催。
■審査委員コメントからの一部抜粋
  • オンラインを中心とした活動で、若者向けのツアーテーマの設定や発信方法は今後の好例となる。
  • 立体的な仕掛けで人口創出の一助となっている。
  • 人口減少という課題解決に対して、道内交流人口の創出という切り口がすごい。
公益財団法人岡山県観光連盟
地域の新たな価値創造で、観光誘客を実現「OKAYAMA ACCENT T-SHIRT」
受託JLAA会員:株式会社ビザビ(岡山県 正会員)

岡山弁という地域資源を生かした新しい楽しみ方を創出。岡山弁Tシャツを開発・展開し、オリジナル自動販売機で販売。メディアが報道したくなる商材を作ることに成功。販売場所と期間が限定された商品にもかかわらず、実績・クチコミともに好評を得ることができました。商品がハブとなり、人の往来、関係人口の創出、シビックプライドや地域への愛着の醸成、SNSなどでの情報拡散などUGC(User Generated Content)による潜在需要層のコミュニケーション活性化などにつながり、結果として、岡山の認知・旅行意欲の向上、実集客につなげています。
■審査委員コメントからの一部抜粋
  • Tシャツに着眼したアイディアがユニークで、新たな観光客の掘り起こしにつながっている。
  • SNS映え・若者を中心に据えたデザインの他、自販機などトレンドを押さえた点が良い。
  • Tシャツ一枚、あなどれません。岡山弁が「アクセント」面白い。
高知県高知市
高知市観光プロモーション事業 気分高まる観光地「感!高知」
受託JLAA会員:株式会社ビザビ(岡山県 正会員)

多彩な観光資源を持つ高知市の魅力を余すところなく発信するため、「雄大な自然や伝統文化を肌で感じ、心躍る観光」=『体感!高知』「土佐が生んだ食文化に、心満たされる観光」=『食感!高知』「四季折々の景色や歴史ロマンに、心癒される観光」=『情感!高知』と、3つのテーマで展開。WEB、SNS、PRなどデジタルを中心とした統合型プロモーション。従来からの「歴史伝統が好きな高齢者」ターゲットから、未来の創造を象徴する「首都圏の20~30代の女性」をメインターゲットにし、コロナ禍をフックに新たな一歩を踏み出しました。
■審査委員コメントからの一部抜粋
  • 「感!高知」キャッチ―。クオリティーが高い。
  • これまでの観光客と異なるターゲット(首都圏20~30代女性)を設定し、見事に捉えることができた。
  • Tシャツ一枚、あなどれません。岡山弁が「アクセント」面白い。
優秀賞
北海道
道産新顔作物振興事業需要拡大委託業務
受託JLAA会員:株式会社インサイト(北海道 正会員)

近年、北海道内で栽培が拡大してきている3つの道産新顔作物である「にんにく」「さつまいも」「らっかせい」の普及と販路拡大を目的に、販売催事、飲食店との連携、そして、新顔作物にフォーカスしたPR活動を展開。道内テレビ番組の放映で、「北海道でさつまいも?」というミスマッチから話題となり、「マツコの知らない世界」やNHKのニュース番組でも取り上げられるなど、全国的な情報拡散につなげました。
■審査委員コメントからの一部抜粋
  • 新顔作物という切り口が新しい。
  • 数多い特産品がある中、「にんにく」「さつまいも」「らっかせい」にしぼった展開が面白い。
  • テレビやネットなどでのPR、羽田空港でのイベント、道内での飲食店フェアなど、道内外でのバランス良く、総合的な活動となっている。
長野県小諸市
第24回 米・食味分析鑑定コンクール:国際大会in小諸
受託JLAA会員:株式会社アイク(長野県 正会員)

米・食味鑑定士協会が主催する「米・食味分析鑑定コンクール国際大会」は、その年に収穫され、ノミネートされた5,000を超す米の検体から、機械による審査を経て選ばれた150検体を開催当日、同一条件下で同時炊飯した白米の食味審査を行い、賞を与えるイベント。3年ぶりのリアル開催のイベントを小諸市で実施することができ、かつ、地元の米が金賞を受賞し、開催地から受賞者を輩出する、という長年にわたったイベント誘致活動からの悲願が達成されたことで「小諸の米づくり」の質の高さを証明できました。来場者は二日間で延べ3,000名となり地域に大きな経済効果をもたらしました。
■審査委員コメントからの一部抜粋
  • 小諸のブランドを高める良い機会になったと思う。
  • 国際大会開催+金賞受賞という快挙は後々まで誇りとして残っていくと思う。
  • 地域の米の特性を踏まえた見事な地域活性化事業。
岐阜県各務原市
KAKAMIGAHARA FUNDING 各務原市プレミアム付商品券「このまち応援チケット」事業
受託JLAA会員:株式会社中広(岐阜県 正会員)

コロナ禍で厳しい経営状況が続く各務原市内中小事業者への支援策として、クラウドファンディングを活用し、集まった支援金を事前に事業者へ入金することで、将来の収益を先に確保しながら、市が「指定した店舗でのみ使用できるプレミアム付商品券」を活用した事業。支援者にはプレミアム率30%(1口5,000円の支援につき6,500円)の商品券を発行。クラウドファンディングの仕組みを活用することで、より早く事業者の運転資金を確保し、地域経済の活性化。新しい形の商品券事業になっていいます。
■審査委員コメントからの一部抜粋
  • プレミアム付商品券のデジタル化の先駆的事例。
  • 市内という限定されたエリアでプレミアム付商品券×クラウドファンディングの組み合わせがうまく回った好事例。
  • コロナ禍で事業者の経営が厳しい中、支援金が早く届くことも良い。